中国の史書をひもといてみると、皇帝の座についた者はなんと三百余人の多きにのぼるが、そのうち女帝はただ一人―今回とりあげる則天武后(そくてんぶこう)(六二四~七〇五)だけだ。男性中心の権力機構を土台にした中国の封建社会で、一介の女性が国を主宰する皇帝になったことは破天荒の大事件であり、その当時論議の的となったのはもちろんだが、この則天武后をめぐる論争は千二百年以上たった現在も続けられている。しかし、...
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中国の史書をひもといてみると、皇帝の座についた者はなんと三百余人の多きにのぼるが、そのうち女帝はただ一人―今回とりあげる則天武后(そくてんぶこう)(六二四~七〇五)だけだ。男性中心の権力機構を土台にした中国の封建社会で、一介の女性が国を主宰する皇帝になったことは破天荒の大事件であり、その当時論議の的となったのはもちろんだが、この則天武后をめぐる論争は千二百年以上たった現在も続けられている。しかし、...