南京は、むかし金陵といった。紀元二二九年から五八九年までの三百余年間、あい前後して、呉、東晋、宋、斉、梁、陳など六代の都として登場したので、歴史上、六朝の古都とよばれている。そこは、長江の南岸で、周囲が山々にかこまれている。麗しい景色、山河のたたずまい、そして劇的な悠久の歴史に満ち、千数百年らい、歴代の詩人によって詩歌にうたわれつづけてきた。こうした金陵をたたえる古い詩のなかには、筆者の好きな中唐...
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南京は、むかし金陵といった。紀元二二九年から五八九年までの三百余年間、あい前後して、呉、東晋、宋、斉、梁、陳など六代の都として登場したので、歴史上、六朝の古都とよばれている。そこは、長江の南岸で、周囲が山々にかこまれている。麗しい景色、山河のたたずまい、そして劇的な悠久の歴史に満ち、千数百年らい、歴代の詩人によって詩歌にうたわれつづけてきた。こうした金陵をたたえる古い詩のなかには、筆者の好きな中唐...