むかしある貧しい書生がいた。彼は、とても面子(メンツ)を気にする男で、いつも他人に、おれの家は金持だぞと触れまわっていた。それを聞きつけた盗っ人が、さっそく盗みに入った。ところが、金どころか、盗む値打ちのあるものはひとつもみつからなかった。そこで、盗っ人はさんざんののしって退きあげた。書生は盗っ人が立ちさるのをみるとあわてて追いかけてきて盗っ人にいった。「せっかく、いらしたのになにもなくてすみませ...
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むかしある貧しい書生がいた。彼は、とても面子(メンツ)を気にする男で、いつも他人に、おれの家は金持だぞと触れまわっていた。それを聞きつけた盗っ人が、さっそく盗みに入った。ところが、金どころか、盗む値打ちのあるものはひとつもみつからなかった。そこで、盗っ人はさんざんののしって退きあげた。書生は盗っ人が立ちさるのをみるとあわてて追いかけてきて盗っ人にいった。「せっかく、いらしたのになにもなくてすみませ...