張旭はあざなを伯高といい、江南の水郷、蘇州の呉県の生まれである。生年、卒年については詳らかにせぬが、詩人李白と同時代の人であることには、間違いない。仕官して金吾長史(宮廷護衛隊の副長官)にまで進んだため、後世は“張長史”の名で呼ぶことが多い。書にたくみで、就中、草書をよくした。常日頃酒をたしなみ、往々大酔しては、狂おしくわめき走りつつも、筆を握って書を物した。興乗れば自らの頭髪に墨をふくめて大書す...
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張旭はあざなを伯高といい、江南の水郷、蘇州の呉県の生まれである。生年、卒年については詳らかにせぬが、詩人李白と同時代の人であることには、間違いない。仕官して金吾長史(宮廷護衛隊の副長官)にまで進んだため、後世は“張長史”の名で呼ぶことが多い。書にたくみで、就中、草書をよくした。常日頃酒をたしなみ、往々大酔しては、狂おしくわめき走りつつも、筆を握って書を物した。興乗れば自らの頭髪に墨をふくめて大書す...