北京にはポプラ並木が多い。三月末のある朝、それまで寒々としていたその枝先に、突然、猫のしっぽのようなものがいっぱいぶら下っているのに気づく。二日目、三日目、みるみるそれは大きくなり、並木の枝をうずめつくす。葉よりも先に咲くポプラの花の房なのである。間もなく風で散り、道ばたのくぼみに吹きよせられると、ゴミのようで、言われなければとても花とは気づかないくらいだ。これは飼料にもなるらしい。これと前後し、...
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北京にはポプラ並木が多い。三月末のある朝、それまで寒々としていたその枝先に、突然、猫のしっぽのようなものがいっぱいぶら下っているのに気づく。二日目、三日目、みるみるそれは大きくなり、並木の枝をうずめつくす。葉よりも先に咲くポプラの花の房なのである。間もなく風で散り、道ばたのくぼみに吹きよせられると、ゴミのようで、言われなければとても花とは気づかないくらいだ。これは飼料にもなるらしい。これと前後し、...