涂山女の内助遠く四千年の昔、中国に起きた大洪水は、国じゅうを濁流の底にして水かさは増すばかりでした。禹の父の鯀は、人びとの災難を知って、天帝の所にある「息壌」という不思議な土を取ってきて、下界の治水にとりかかりました。息壌でつくった堤防は水かさが増すにつれて、高く伸び、ついにヒマラヤ山の中腹に達したとき、荒れ狂う大水はやっと治まりました。大きな鯨や水獣などが山の中腹に追い上げられて、進退きわまって...
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涂山女の内助遠く四千年の昔、中国に起きた大洪水は、国じゅうを濁流の底にして水かさは増すばかりでした。禹の父の鯀は、人びとの災難を知って、天帝の所にある「息壌」という不思議な土を取ってきて、下界の治水にとりかかりました。息壌でつくった堤防は水かさが増すにつれて、高く伸び、ついにヒマラヤ山の中腹に達したとき、荒れ狂う大水はやっと治まりました。大きな鯨や水獣などが山の中腹に追い上げられて、進退きわまって...