甲と乙が町へ行く途中、道端に酒屋をみかけた。その看板に「名酒特売、一杯一銭!」とある。二人はノドを鳴らしたが、あいにく甲が一銭銅貨一枚持っているだけでどうにもならぬ。しばらく考えていた甲は、ポンと胸をたたき、乙をうながして酒屋に入り、五杯ずつ注文した。飲みおわると甲は席を立ち、外へ出たが、すぐ戻ってきて、銅貨一枚をあるじに渡す。「ほれ、代金だよ」「いけませんよ、お客さん、お二人で十杯だから十銭です...
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甲と乙が町へ行く途中、道端に酒屋をみかけた。その看板に「名酒特売、一杯一銭!」とある。二人はノドを鳴らしたが、あいにく甲が一銭銅貨一枚持っているだけでどうにもならぬ。しばらく考えていた甲は、ポンと胸をたたき、乙をうながして酒屋に入り、五杯ずつ注文した。飲みおわると甲は席を立ち、外へ出たが、すぐ戻ってきて、銅貨一枚をあるじに渡す。「ほれ、代金だよ」「いけませんよ、お客さん、お二人で十杯だから十銭です...