むかし、一頭のロバがおりました。小さくてあまり力もないのに、負けずぎらいで、どんなときでも先に出なければ気がすまず、いつもよく出しゃばっていました。ある日、このロバが一頭の馬といっしょに荷物を運んでいくことになりました。道に出たとたん、ロバは耳をたて、鼻いきもあらくいななき、とびはねるようにして、馬の前にたち、先へ先へといこうとしました。馬は頭をたれ、声ひとつたてずに、黙々とロバのあとからついてき...
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むかし、一頭のロバがおりました。小さくてあまり力もないのに、負けずぎらいで、どんなときでも先に出なければ気がすまず、いつもよく出しゃばっていました。ある日、このロバが一頭の馬といっしょに荷物を運んでいくことになりました。道に出たとたん、ロバは耳をたて、鼻いきもあらくいななき、とびはねるようにして、馬の前にたち、先へ先へといこうとしました。馬は頭をたれ、声ひとつたてずに、黙々とロバのあとからついてき...