秋風が吹きわたって、肌寒い季節がやってきた。羽毛がはえ変わって、鳥はみな冬仕度を終わっているのに、寒号鳥だけ、まだまるはだかだった。彼は首をちぢめ、草むらに身をかくして、哀れな声をあげつづけた。「ブルルルル、凍え死んじゃうよ。早く日が照ってくれえ」気の毒になった王様の鳳凰が鳥たちに命じた。「みんな、羽毛を一本ずつ恵んでやれ」救いの手をさしのべられて、寒号鳥はみちがえるほど美しい鳥になった。とたんに...
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秋風が吹きわたって、肌寒い季節がやってきた。羽毛がはえ変わって、鳥はみな冬仕度を終わっているのに、寒号鳥だけ、まだまるはだかだった。彼は首をちぢめ、草むらに身をかくして、哀れな声をあげつづけた。「ブルルルル、凍え死んじゃうよ。早く日が照ってくれえ」気の毒になった王様の鳳凰が鳥たちに命じた。「みんな、羽毛を一本ずつ恵んでやれ」救いの手をさしのべられて、寒号鳥はみちがえるほど美しい鳥になった。とたんに...