後漢末期に、蜀·呉と覇をあらそった魏王(武帝)曹操(一五五~二二〇)は、その評価をめぐって、これまで何度も議論のたたかわされた歴史人物であるが、しかし詩人としてのはなばなしい資質、および中国の古典文学にたいする貢献ということでは、だれもが一致してみとめるところだ。曹操をはじめとする建安文学(建安は漢の献帝のときの年号)グループの出現は、中国文学史上の輝かしいエポックであった。建安の詩風は、帝王の機...
Please login first!
後漢末期に、蜀·呉と覇をあらそった魏王(武帝)曹操(一五五~二二〇)は、その評価をめぐって、これまで何度も議論のたたかわされた歴史人物であるが、しかし詩人としてのはなばなしい資質、および中国の古典文学にたいする貢献ということでは、だれもが一致してみとめるところだ。曹操をはじめとする建安文学(建安は漢の献帝のときの年号)グループの出現は、中国文学史上の輝かしいエポックであった。建安の詩風は、帝王の機...