中国の書道は、唐代の末期にいたると衰退の一途をたどるが、さいわい宋朝(九六〇~一二七九年)初期に、蔡襄(さいじよう)という名手が彗星のごとくあらわれて、前人の業績をうけつぎ、発展させた。彼は蘇東坡、米芾(べいふつ)、黄庭堅らとともに、宋朝の四大書家の一人となっている。蔡襄(一〇一二~一〇六七年)、字(あざな)は君謨、福建仙游の人である。仁宗の天聖年間に進士に合格、官位は端明殿学士にまですすんだ。書...
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中国の書道は、唐代の末期にいたると衰退の一途をたどるが、さいわい宋朝(九六〇~一二七九年)初期に、蔡襄(さいじよう)という名手が彗星のごとくあらわれて、前人の業績をうけつぎ、発展させた。彼は蘇東坡、米芾(べいふつ)、黄庭堅らとともに、宋朝の四大書家の一人となっている。蔡襄(一〇一二~一〇六七年)、字(あざな)は君謨、福建仙游の人である。仁宗の天聖年間に進士に合格、官位は端明殿学士にまですすんだ。書...