三国時代(二二〇~二六五)のこと、魏王曹操(そうそう)は、もともと王位を次男の曹植(そうしよく)に讓りたいと思っていた。曹植が幼いころから聡明で、文学の才があったからお気に入りだったのである。だが、当時のおきてで、王位は長男である太子の曹丕(そうひ)にゆずることに定められており、背くことは許されない。曹操もやむなく、臨終にのぞんで曹丕に位をゆずった。一方、位をつげなかった曹植は心に不満を抱いて、自...
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三国時代(二二〇~二六五)のこと、魏王曹操(そうそう)は、もともと王位を次男の曹植(そうしよく)に讓りたいと思っていた。曹植が幼いころから聡明で、文学の才があったからお気に入りだったのである。だが、当時のおきてで、王位は長男である太子の曹丕(そうひ)にゆずることに定められており、背くことは許されない。曹操もやむなく、臨終にのぞんで曹丕に位をゆずった。一方、位をつげなかった曹植は心に不満を抱いて、自...