明代の書は基本的には宋、元の余風をついで、趙孟頫(ちようもうふ)の影響下にあり、臨写を主とした帖学派が尊重された。この時期にすぐれた書家も出ているが、行草に長じた者が多かった。しかし、行草におけるきわだった創意というものは見あたらない。明末にいたってようやく、一部の書家が帖学から脱皮して、新しい道をきりひらいた。すなわち黄道周、倪元璐、王鐸、張瑞図等であった。熹宗帝の天啓年間(一六二〇~一六二七年...
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明代の書は基本的には宋、元の余風をついで、趙孟頫(ちようもうふ)の影響下にあり、臨写を主とした帖学派が尊重された。この時期にすぐれた書家も出ているが、行草に長じた者が多かった。しかし、行草におけるきわだった創意というものは見あたらない。明末にいたってようやく、一部の書家が帖学から脱皮して、新しい道をきりひらいた。すなわち黄道周、倪元璐、王鐸、張瑞図等であった。熹宗帝の天啓年間(一六二〇~一六二七年...