昔、一人の高利貸しがいた。ある日、一包みの銀貨をなくしてあわてふためいたが、どこをいくら探しても出てこない。一カ月あとのこと、だいぶはなれたところで彼の銀(かね)包みを拾った人があり、中味の銀(かね)もそのままとどけてくれた。高利貸しは、もどってきた銀貨を手にしてしばらくエビス顔だったが、ふと眉をしかめてしきりにため息をついた。銀包みを拾った人は、銀貨がたりないのかとおもって「銀(かね)がへってい...
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昔、一人の高利貸しがいた。ある日、一包みの銀貨をなくしてあわてふためいたが、どこをいくら探しても出てこない。一カ月あとのこと、だいぶはなれたところで彼の銀(かね)包みを拾った人があり、中味の銀(かね)もそのままとどけてくれた。高利貸しは、もどってきた銀貨を手にしてしばらくエビス顔だったが、ふと眉をしかめてしきりにため息をついた。銀包みを拾った人は、銀貨がたりないのかとおもって「銀(かね)がへってい...