村はずれの廟に木彫りの神像が立っていた。無信心な男がそこを通りがかったが、溝があって、跳びこすのがむずかしそうなので、橋のかわりに神像を横倒しにして渡っていった。また一人、男が通りかかった。ああもったいない、こんなことをしてと、その男は神像をかかえ起こし、もとにもどしていった。さて罰をくだす段になった。線香を供えなかったという理由で、神像はあとからきた男に、罰として頭痛をあたえた。家来どもは訳がわ...
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村はずれの廟に木彫りの神像が立っていた。無信心な男がそこを通りがかったが、溝があって、跳びこすのがむずかしそうなので、橋のかわりに神像を横倒しにして渡っていった。また一人、男が通りかかった。ああもったいない、こんなことをしてと、その男は神像をかかえ起こし、もとにもどしていった。さて罰をくだす段になった。線香を供えなかったという理由で、神像はあとからきた男に、罰として頭痛をあたえた。家来どもは訳がわ...