唐(六一八~九〇七年)の頃当除県の知事の王魯はなによりも金が好きで、汚職など平気だった。彼の秘書も私腹をこやすことに汲々としていた。あるとき人びとが彼に秘書のことを上訴した。知事は告発状に列挙されていた罪状のかずかずがひとつのこらず自分と関係があるのをみて、自分もやり玉にあがるのではないかと恐れ、おもわずその訴状に「汝は草を打つのみなれど、すでに、蛇はおそれおののく」と書いて内心を暴露した。ことば...
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唐(六一八~九〇七年)の頃当除県の知事の王魯はなによりも金が好きで、汚職など平気だった。彼の秘書も私腹をこやすことに汲々としていた。あるとき人びとが彼に秘書のことを上訴した。知事は告発状に列挙されていた罪状のかずかずがひとつのこらず自分と関係があるのをみて、自分もやり玉にあがるのではないかと恐れ、おもわずその訴状に「汝は草を打つのみなれど、すでに、蛇はおそれおののく」と書いて内心を暴露した。ことば...