蠟染めといえば、二〇年前のたのしい取材旅行が思いおこされる。たしか一九五九年のことだ。中央工芸美術学院の先生二人といっしょに貴州省へ行って蠟染めの調査·研究をおこなった。華やかな大都会から、はじめて、山水に囲まれたミャオ族の村に入ったときは、まるで「おとぎの国」に入ったような感じだった。風がわりなおもしろい竹づくりの家がならんでいる。ただ、その竹の家であろうと、谷川のほとりやあぜ道、あるいは木陰で...
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蠟染めといえば、二〇年前のたのしい取材旅行が思いおこされる。たしか一九五九年のことだ。中央工芸美術学院の先生二人といっしょに貴州省へ行って蠟染めの調査·研究をおこなった。華やかな大都会から、はじめて、山水に囲まれたミャオ族の村に入ったときは、まるで「おとぎの国」に入ったような感じだった。風がわりなおもしろい竹づくりの家がならんでいる。ただ、その竹の家であろうと、谷川のほとりやあぜ道、あるいは木陰で...