四月、鑑真東渡千二百二十七年目にその座像が中国へ「里帰り」することになった。鑑真の故郷揚州の私たちは、ひとしおのなつかしさを感じている。大明寺の鑑真記念堂もこれでひときわ光彩を添えるであろう。両国の友が一堂に集まるうれしい日をま近に、いっそう鑑真和上の不滅の業績がしのばれる。(一)鑑真は、揚州江陽県(いまの揚州市)の人。六八八年生まれ。俗姓は淳于。揚州は当時、唐王朝の江南支配と、内外貿易の重要都市...
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四月、鑑真東渡千二百二十七年目にその座像が中国へ「里帰り」することになった。鑑真の故郷揚州の私たちは、ひとしおのなつかしさを感じている。大明寺の鑑真記念堂もこれでひときわ光彩を添えるであろう。両国の友が一堂に集まるうれしい日をま近に、いっそう鑑真和上の不滅の業績がしのばれる。(一)鑑真は、揚州江陽県(いまの揚州市)の人。六八八年生まれ。俗姓は淳于。揚州は当時、唐王朝の江南支配と、内外貿易の重要都市...