明代早期の書法については、伝統的に、「三宋」として尊敬されている三人がいる。「三宋」とは、宋克、宋璲、宋広のことだが、三人のなかでは、やはり宋克の名がいちばん通っている。宋克、字(あざな)は仲温、長洲(いまの蘇州)の出身で、元の泰定四年(紀元一三二七年)に生まれ、明の洪武二〇年(紀元一三八七年)に死んだ。洪武のはじめ頃は鳳翔(県名)同知(地方長官の補佐役)に任ぜられていたが、行書、草書、章草書(し...
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明代早期の書法については、伝統的に、「三宋」として尊敬されている三人がいる。「三宋」とは、宋克、宋璲、宋広のことだが、三人のなかでは、やはり宋克の名がいちばん通っている。宋克、字(あざな)は仲温、長洲(いまの蘇州)の出身で、元の泰定四年(紀元一三二七年)に生まれ、明の洪武二〇年(紀元一三八七年)に死んだ。洪武のはじめ頃は鳳翔(県名)同知(地方長官の補佐役)に任ぜられていたが、行書、草書、章草書(し...