北京に一度旅行にきたことのある人なら、天安門の城楼の前に明代(一三六八~一六四四年)につくられた漢白玉の石柱が一対立っていることに気づいたはずだ。ただその石柱のてっぺんに「犼(ホウ)」(犬に似た一種の野獣)という石の「怪獣」がいることに気がついたかどうか―。封建時代には、この「犼」は「望君出」ともよばれた。それは、皇帝が宮廷内であまり酒色に溺れないよう、つねに下へ降りて民(たみ)の情況を調べにくる...
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北京に一度旅行にきたことのある人なら、天安門の城楼の前に明代(一三六八~一六四四年)につくられた漢白玉の石柱が一対立っていることに気づいたはずだ。ただその石柱のてっぺんに「犼(ホウ)」(犬に似た一種の野獣)という石の「怪獣」がいることに気がついたかどうか―。封建時代には、この「犼」は「望君出」ともよばれた。それは、皇帝が宮廷内であまり酒色に溺れないよう、つねに下へ降りて民(たみ)の情況を調べにくる...