中国の西南辺境、ちょうどビルマとの国境ちかくを縦走する怒江峡谷は、山の高さと峡谷の深さで世に知られている。リースー(傈僳)族が先祖代々住んできたのはこの峡谷の両岸だが、彼らは、長い間外界と隔絶されていたため、中国のもっとも貧しい、もっとも立ち後れた民族の一つとなり、本世紀も四〇年代末までは、原始的な焼き畑農業にたよって生活していた。晩春四月、記者はかぎりない興味にうごかされて、それこそ山を越え河を...
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中国の西南辺境、ちょうどビルマとの国境ちかくを縦走する怒江峡谷は、山の高さと峡谷の深さで世に知られている。リースー(傈僳)族が先祖代々住んできたのはこの峡谷の両岸だが、彼らは、長い間外界と隔絶されていたため、中国のもっとも貧しい、もっとも立ち後れた民族の一つとなり、本世紀も四〇年代末までは、原始的な焼き畑農業にたよって生活していた。晩春四月、記者はかぎりない興味にうごかされて、それこそ山を越え河を...