一羽の九官鳥が人間のことばを学び、しばらくして、三こと四こと話せるようになった。九官鳥はすっかり得意になり、朝から晩までくりかえして、しゃべりまくった。ある日、一匹のセミが木にとまり、いい気持ちで歌をうたいだした。九官鳥はそれを聞くと、せせら笑っていった。「へっ、耳ざわりだなあ。それより、おれが人間のことばを聞かしてやろうか。うっとりするぞ」セミは歌をやめていった。「わたしのはへたでしょうが、これ...
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一羽の九官鳥が人間のことばを学び、しばらくして、三こと四こと話せるようになった。九官鳥はすっかり得意になり、朝から晩までくりかえして、しゃべりまくった。ある日、一匹のセミが木にとまり、いい気持ちで歌をうたいだした。九官鳥はそれを聞くと、せせら笑っていった。「へっ、耳ざわりだなあ。それより、おれが人間のことばを聞かしてやろうか。うっとりするぞ」セミは歌をやめていった。「わたしのはへたでしょうが、これ...