ある晩、私は、北京郊外の高崖口中学に林瑞栄先生を訪ねた。懐中電燈を片手に、学校わきの坂道を登っていくと、あたりは一面の闇で、ただ坂の上の一軒の家だけが、窓にあかりがかがやいている。「ほら、あれが林先生の家ですよ。さいきん建ったばかりなんです」道案内の人が指さして教えてくれた。その家には華僑が住んでいる。彼がこのへんぴな山村に住みついて、すでに二十余年になるのだが、どうしてこの山村に住む決心をし、そ...
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ある晩、私は、北京郊外の高崖口中学に林瑞栄先生を訪ねた。懐中電燈を片手に、学校わきの坂道を登っていくと、あたりは一面の闇で、ただ坂の上の一軒の家だけが、窓にあかりがかがやいている。「ほら、あれが林先生の家ですよ。さいきん建ったばかりなんです」道案内の人が指さして教えてくれた。その家には華僑が住んでいる。彼がこのへんぴな山村に住みついて、すでに二十余年になるのだが、どうしてこの山村に住む決心をし、そ...