中国の絵画史上、特異な位置にある宋代の画壇は、人材が輩出し、数多くの流派、スタイルがその妍をきそい、さまざまな題材、表現形式を生みだした。本号の〈猿猴摘果図〉(果実を摘む猿の図)も、当時さかんに創られた「円形小画」で、主として絹張りのうちわにあしらわれていたので、「紈扇(ワンサン)画」ともいう。この絵には落款がないので、残念ながら作者はわかっていない。描かれているのは、深山渓谷を背景にした、猿の様...
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中国の絵画史上、特異な位置にある宋代の画壇は、人材が輩出し、数多くの流派、スタイルがその妍をきそい、さまざまな題材、表現形式を生みだした。本号の〈猿猴摘果図〉(果実を摘む猿の図)も、当時さかんに創られた「円形小画」で、主として絹張りのうちわにあしらわれていたので、「紈扇(ワンサン)画」ともいう。この絵には落款がないので、残念ながら作者はわかっていない。描かれているのは、深山渓谷を背景にした、猿の様...