王さんが横町の入口にさしかかったときである、出会いがしらに向こうからひとりの人が息せききって走ってきた。と、すぐそのうしろからもうひとりの人が「どろぼうだっー!」と叫びながら追ってきた。王さんはひそかにこう考えた。いらぬおせっかいはやめとこう、勝手にしやがれ!彼が身をかわすと、どろぼうは勢いよく走っていった。うしろから追ってきた人が、王さんの顔をみて言うには、「どうしてとっつかまえてくれないんです...
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王さんが横町の入口にさしかかったときである、出会いがしらに向こうからひとりの人が息せききって走ってきた。と、すぐそのうしろからもうひとりの人が「どろぼうだっー!」と叫びながら追ってきた。王さんはひそかにこう考えた。いらぬおせっかいはやめとこう、勝手にしやがれ!彼が身をかわすと、どろぼうは勢いよく走っていった。うしろから追ってきた人が、王さんの顔をみて言うには、「どうしてとっつかまえてくれないんです...