落胆のあとの希望数年前のことである。ひとりの友人が南方からはるばる北京までやってきてわたしの家の客となった。この客は陶磁器関係の仕事をしている。それでわたしも上等の茶器をだしてお茶をすすめた。ところがかれは茶器にはいっこう興味を示さず、やおらカバンの中からひとつプラスチックの茶碗をとりだして「この湯のみでお湯を飲ませてほしい。じつは、ぼくは陶磁器とは縁を切ってしまったものだから」と言った。一晩よも...
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落胆のあとの希望数年前のことである。ひとりの友人が南方からはるばる北京までやってきてわたしの家の客となった。この客は陶磁器関係の仕事をしている。それでわたしも上等の茶器をだしてお茶をすすめた。ところがかれは茶器にはいっこう興味を示さず、やおらカバンの中からひとつプラスチックの茶碗をとりだして「この湯のみでお湯を飲ませてほしい。じつは、ぼくは陶磁器とは縁を切ってしまったものだから」と言った。一晩よも...