大興安嶺にある白嘎拉(バイガーラ)山の麓は、むかし、猟にもってこいのところでした。ところが、そこには猩々(しょうじょう)に似た瑪猊(マーニイ)[注释1]というでっかい怪物が住んでいて、往来する人間を片っぱしから食ってしまうといわれ、オロチョン族の狩人も近づこうとはしませんでした。だが、そんなうわさに耳を傾けない老夫婦がいました。ふたりは毎日弓矢をもって白嘎拉山へ猟にいきました。たしかに、山はそびえ...
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大興安嶺にある白嘎拉(バイガーラ)山の麓は、むかし、猟にもってこいのところでした。ところが、そこには猩々(しょうじょう)に似た瑪猊(マーニイ)[注释1]というでっかい怪物が住んでいて、往来する人間を片っぱしから食ってしまうといわれ、オロチョン族の狩人も近づこうとはしませんでした。だが、そんなうわさに耳を傾けない老夫婦がいました。ふたりは毎日弓矢をもって白嘎拉山へ猟にいきました。たしかに、山はそびえ...