蘭州から西に向かう蘭新鉄道の車窓から、流れ去る景色をむさぼるように見ていた。どこまでも澄みわたる空の、何という青さ。点々たる白楊樹はすでに黄ばんだ秋の装いで、空の青に思いきり身をのばしている。木々の向うの遠い山なみの、まろやかでありながら、どっしりとした姿に安らぎを覚える。砂礫と卵石をしきつめた限りない大地は、荒っぽくもあれば豪快でもある。初めて河西回廊に入って、何となく西北奥地の風光が判ったよう...
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蘭州から西に向かう蘭新鉄道の車窓から、流れ去る景色をむさぼるように見ていた。どこまでも澄みわたる空の、何という青さ。点々たる白楊樹はすでに黄ばんだ秋の装いで、空の青に思いきり身をのばしている。木々の向うの遠い山なみの、まろやかでありながら、どっしりとした姿に安らぎを覚える。砂礫と卵石をしきつめた限りない大地は、荒っぽくもあれば豪快でもある。初めて河西回廊に入って、何となく西北奥地の風光が判ったよう...