中国の歴史を見ると、著名な書道家は、そのほとんどが官職に就いた経験をもっている。たとえば、晋代の王羲之、唐代の顔真卿、柳公権がそうであったし、宋代にいたっては、蘇軾、黄庭堅、蔡襄と並んで当代の四大家と称される米芾(べいふつ·一〇五一~一一〇七年)もその例外ではなかった。しかし、かれの官職はそう高いものではなかった。礼部員外郎の役にあって、五品官にすぎなかった。だが、かれの母が英宗皇后の乳母になった...
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中国の歴史を見ると、著名な書道家は、そのほとんどが官職に就いた経験をもっている。たとえば、晋代の王羲之、唐代の顔真卿、柳公権がそうであったし、宋代にいたっては、蘇軾、黄庭堅、蔡襄と並んで当代の四大家と称される米芾(べいふつ·一〇五一~一一〇七年)もその例外ではなかった。しかし、かれの官職はそう高いものではなかった。礼部員外郎の役にあって、五品官にすぎなかった。だが、かれの母が英宗皇后の乳母になった...