清代の中頃以来、中国の書道界において、北碑[注释1]の研究がさかんになったことは、よく知られている。いわゆる碑学の興起であるが、その間にあって、大きな役割を演じた書家が、包世臣で、彼はその書と理論をもって、大いに碑学を推進したのである。碑学の興起は、南方系の「法帖派」が衰退し、「館閣体」がさかんであった当時の書風に相対して、大きな影響をおよぼした。包世臣(一七七五~一八五五年)は、安徽の涇県の人で...
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清代の中頃以来、中国の書道界において、北碑[注释1]の研究がさかんになったことは、よく知られている。いわゆる碑学の興起であるが、その間にあって、大きな役割を演じた書家が、包世臣で、彼はその書と理論をもって、大いに碑学を推進したのである。碑学の興起は、南方系の「法帖派」が衰退し、「館閣体」がさかんであった当時の書風に相対して、大きな影響をおよぼした。包世臣(一七七五~一八五五年)は、安徽の涇県の人で...