戦国時代(紀元前五~前三世紀)のこと、魏の国に更羸(こうらい)という弓の名人がいた。あるとき、矢をつがえずに、弓をひきしぼり弦を鳴らしただけで、大きな雁がおちてきた。見ていた人がびっくりすると、名人はこう説明した。「この雁は実は、ほかで射られて矢傷を受けている。わしは、飛び方と鳴き声でそれがわかったのだ。この雁は、まえに弓矢でひどい目にあっているから、わしが弓をひきしぼる音を聞いただけで、それに驚...
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戦国時代(紀元前五~前三世紀)のこと、魏の国に更羸(こうらい)という弓の名人がいた。あるとき、矢をつがえずに、弓をひきしぼり弦を鳴らしただけで、大きな雁がおちてきた。見ていた人がびっくりすると、名人はこう説明した。「この雁は実は、ほかで射られて矢傷を受けている。わしは、飛び方と鳴き声でそれがわかったのだ。この雁は、まえに弓矢でひどい目にあっているから、わしが弓をひきしぼる音を聞いただけで、それに驚...