むかし、あるじいさま、熱心な信者で、家に数体の仏さまを祭っていた。ある朝、用事があって出かけるまえ、息子にいいつけた。「鍋の肉が煮えたら、すぐ仏さまにお供えするのだぞ。いいか、忘れるでないぞ」じいさまの出かけたあと、息子は鍋の肉をすっかり平らげてしまい、おまけに泥塑の仏さまをこなごなにしてしまった。じいさまが帰ってきて、おこるまいことか。「いったい、どいつがこんなことをしでかしたんだ!」息子は、す...
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むかし、あるじいさま、熱心な信者で、家に数体の仏さまを祭っていた。ある朝、用事があって出かけるまえ、息子にいいつけた。「鍋の肉が煮えたら、すぐ仏さまにお供えするのだぞ。いいか、忘れるでないぞ」じいさまの出かけたあと、息子は鍋の肉をすっかり平らげてしまい、おまけに泥塑の仏さまをこなごなにしてしまった。じいさまが帰ってきて、おこるまいことか。「いったい、どいつがこんなことをしでかしたんだ!」息子は、す...