むかし、馬員外[注释1]という男がおりました。家はたいへんな金もちで、たくさんの使用人を使っていました。彼の妻の紀夫人のそばには、幾人もの若い娘がかしずいていて、その中の趙という姓の娘に員外が目をつけ、めかけにしました。それ以来、家の人びとは彼女を趙姨娘[注释2]とよんでいました。紀夫人に男の子が生まれ、大郎と名づけられました。その後、趙姨娘にも男の子が生まれ、二郎と名づけられました。紀夫人は趙姨...
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むかし、馬員外[注释1]という男がおりました。家はたいへんな金もちで、たくさんの使用人を使っていました。彼の妻の紀夫人のそばには、幾人もの若い娘がかしずいていて、その中の趙という姓の娘に員外が目をつけ、めかけにしました。それ以来、家の人びとは彼女を趙姨娘[注释2]とよんでいました。紀夫人に男の子が生まれ、大郎と名づけられました。その後、趙姨娘にも男の子が生まれ、二郎と名づけられました。紀夫人は趙姨...