中日両国の文化交流史上で、記念すべき人物に弘法大師空海があげられる。空海が生きた時代は、まさに中日両国間の往来がかなり頻繁になった「遣唐使」の時期であった。空海は俗姓を佐伯といい、奈良朝末期の宝亀五年(七七四年)に生まれた。十五歳のとき、母方の叔父阿刀大足(あとのおおたり)に師事し、『論語』『史記』『左伝』などの漢籍を学んだが、まもなく仏教に帰依する道に入った。二十四歳のとき、思想批判の書『三教指...
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中日両国の文化交流史上で、記念すべき人物に弘法大師空海があげられる。空海が生きた時代は、まさに中日両国間の往来がかなり頻繁になった「遣唐使」の時期であった。空海は俗姓を佐伯といい、奈良朝末期の宝亀五年(七七四年)に生まれた。十五歳のとき、母方の叔父阿刀大足(あとのおおたり)に師事し、『論語』『史記』『左伝』などの漢籍を学んだが、まもなく仏教に帰依する道に入った。二十四歳のとき、思想批判の書『三教指...