北京で催された「東山魁夷展」には詩的情緒があふれていた。「詩中画(しちゆうが)あり、画中詩(がちゆうし)あり」という言葉をわたし達はよく口にする。すばらしい絵に接すると、さながら優美なシンフォニーをきくようで、人を感動させ、陶酔させる。そして創作する者と鑑賞する者とが自ずと一体になって共鳴する。東山画伯の風景画にはほとんど人間が描かれていない。画中に人物を見出すことはきわめて稀だといえよう。―わた...
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北京で催された「東山魁夷展」には詩的情緒があふれていた。「詩中画(しちゆうが)あり、画中詩(がちゆうし)あり」という言葉をわたし達はよく口にする。すばらしい絵に接すると、さながら優美なシンフォニーをきくようで、人を感動させ、陶酔させる。そして創作する者と鑑賞する者とが自ずと一体になって共鳴する。東山画伯の風景画にはほとんど人間が描かれていない。画中に人物を見出すことはきわめて稀だといえよう。―わた...