福建省の莆田県には、樹齢千二百余年の荔枝(れいし)の樹があり、いまなお元気で毎年実を結んでいる。このようなことは、世界園芸史上でも稀(けう)有のことである。この荔枝の樹は名を「宋家香」といい、莆田県の県城(県庁所在地)の、ある宋代の宗祠(一族の祖先をまつるところ)の庭に植わっている。昔北宋の一〇五六年、有名な文人で書家でもある蔡襄がこの樹からとった荔枝をご馳走になったとき、そのおいしさを口を極めて...
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福建省の莆田県には、樹齢千二百余年の荔枝(れいし)の樹があり、いまなお元気で毎年実を結んでいる。このようなことは、世界園芸史上でも稀(けう)有のことである。この荔枝の樹は名を「宋家香」といい、莆田県の県城(県庁所在地)の、ある宋代の宗祠(一族の祖先をまつるところ)の庭に植わっている。昔北宋の一〇五六年、有名な文人で書家でもある蔡襄がこの樹からとった荔枝をご馳走になったとき、そのおいしさを口を極めて...