第十一回遣唐使の大使となった藤原清河は七五二年、唐の都長安に到着した。かれを派遣することは、並大抵のことではなかったので、その出発にさいして、考謙天皇は宴を催し、太刀と次の歌を贈っている。そらみつやまとの国は、水の上は地往(つちゆ)くごとく、船の上は床に座(ま)すごとく、大神の鎮むる国ぞ、四舶舶(よつつのふね)のへならべ、平らけく 早渡(はやわた)り来て、かへりこと奏さん日に相飲まん酒ぞ、この豊御...
Please login first!
第十一回遣唐使の大使となった藤原清河は七五二年、唐の都長安に到着した。かれを派遣することは、並大抵のことではなかったので、その出発にさいして、考謙天皇は宴を催し、太刀と次の歌を贈っている。そらみつやまとの国は、水の上は地往(つちゆ)くごとく、船の上は床に座(ま)すごとく、大神の鎮むる国ぞ、四舶舶(よつつのふね)のへならべ、平らけく 早渡(はやわた)り来て、かへりこと奏さん日に相飲まん酒ぞ、この豊御...