中国古代の詩人陶淵明は、広く後世の人びとに読まれた『桃花源詩並記』を残した。それにはつぎのような物語が記されている―漁夫が谷川のほとりで魚をとっていると、とつぜん目の前に桃の林があらわれた。谷川はもえるように赤い桃の花びらを浮かべて流れてゆく。その美しい眺めに漁夫は心をひかれ、先へ先へと進んでいった。小さな洞穴をぬけると、目の前が明るくなり、別世界が出現した。そこには平地がひろがり、家々が整然と軒...
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中国古代の詩人陶淵明は、広く後世の人びとに読まれた『桃花源詩並記』を残した。それにはつぎのような物語が記されている―漁夫が谷川のほとりで魚をとっていると、とつぜん目の前に桃の林があらわれた。谷川はもえるように赤い桃の花びらを浮かべて流れてゆく。その美しい眺めに漁夫は心をひかれ、先へ先へと進んでいった。小さな洞穴をぬけると、目の前が明るくなり、別世界が出現した。そこには平地がひろがり、家々が整然と軒...