韓非(約紀元前二八〇-前二三三年)は戦国時代末期の韓(いまの山東省東南部および河南省中部)の人、貴族の出であり、李斯とおなじく荀況の弟子であった。当時の階級闘争を推進力として、かれは法家の学説をうけつぎ、それを発展させて、統一した、中央集権にもとづく地主階級独裁の国家のために理論的な基礎をきずき、秦代以前の法家思想を集大成した。その著『韓非子』五十五編の中で、もっとも代表的なものには「五蠹」「孤憤...
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韓非(約紀元前二八〇-前二三三年)は戦国時代末期の韓(いまの山東省東南部および河南省中部)の人、貴族の出であり、李斯とおなじく荀況の弟子であった。当時の階級闘争を推進力として、かれは法家の学説をうけつぎ、それを発展させて、統一した、中央集権にもとづく地主階級独裁の国家のために理論的な基礎をきずき、秦代以前の法家思想を集大成した。その著『韓非子』五十五編の中で、もっとも代表的なものには「五蠹」「孤憤...