一はてしないシリンゴール大草原を一台のジープがひた走りに走る。バト連隊長は、息で曇る感ガラスをたえず手のひらでぬぐいながら、じっと窓外を見つめていた。真冬の草原は、牧畜民の家に生まれたバトにとってふるいなじみのはずなのに、今は何か見知らぬ所のように思えた。ジープはキーッという音をたてて、凍った湖のほとりにとまった。運転手の小李は(シヤオリー)、ズックのバケツを手に車からとびおりて、湖のほうへ歩いて...
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一はてしないシリンゴール大草原を一台のジープがひた走りに走る。バト連隊長は、息で曇る感ガラスをたえず手のひらでぬぐいながら、じっと窓外を見つめていた。真冬の草原は、牧畜民の家に生まれたバトにとってふるいなじみのはずなのに、今は何か見知らぬ所のように思えた。ジープはキーッという音をたてて、凍った湖のほとりにとまった。運転手の小李は(シヤオリー)、ズックのバケツを手に車からとびおりて、湖のほうへ歩いて...