穀倉にかわった「北大荒」

黒竜江省の主都哈爾浜（ハカピン）をあとにした列車は、松花江をわたり、東北へ三時間あまり走ると「北大荒」につく。「北大荒」はその名のとおり、中国北部にひろがる大荒原だ。黒竜江省の東北部に位するこの荒原は、面積五万平方キロあまり、土地はよく肥え、資源もゆたかである。ながい年月のうちに腐った草の根が厚さ一メートルほどの黒土層をなしており、大豆、小麦、トウモロコシ、高粱、砂糖大根、亜麻など栽培にはもっとも...