一汽車は吹雪をついて東北地方のちいさな駅―東風駅にすべりこんだ。乗務員がやっとの思いで乗降口のドアをあけた。ステップはすっかりこおっていた。一年まえ、辺境にある前衛生産大隊に住みつく若ものを送ってきたとき下車したのも、この駅だ。それは春のことだった。そびえたつ小興安嶺の嶺々はみどり一色であったが、こんどはまったくおもむきがちがう。はてしなく続く森林は雪におおわれている。ちょうど伐採の季節で、車と人...
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一汽車は吹雪をついて東北地方のちいさな駅―東風駅にすべりこんだ。乗務員がやっとの思いで乗降口のドアをあけた。ステップはすっかりこおっていた。一年まえ、辺境にある前衛生産大隊に住みつく若ものを送ってきたとき下車したのも、この駅だ。それは春のことだった。そびえたつ小興安嶺の嶺々はみどり一色であったが、こんどはまったくおもむきがちがう。はてしなく続く森林は雪におおわれている。ちょうど伐採の季節で、車と人...