ひたすら人民のために

東の空が白むころから、広い北京の大通りにはもう自動車や自転車、人びとの往来がたえません。出勤する労働者たちが元気よく新たなたたかいの日を迎えるのです。そのころ、〈紅衛兵〉の赤い腕章をつけた生徒が崇文門外にある第十一中学の校門を足早に入ってゆきます。かれがかけこむのはボイラー室です。みどり色のカバンをカベにかけると、スコップをとりあげ、石炭をすくいはじめます。かれは第十一中学校初級中学の生徒で、王建...