窓のそとで人の話声がきこえる。列車がとまっているらしい。寝台からおりてカーテンをあけてみると、鷹潭(インタン)駅だ。鷹潭といえば鄱陽湖(ポーヤンフー)にそそぐ信江のほとりにあって、福建省の廈門につうじる鷹廈線の鉄道の起点としても知られている。すでに朝の六時半、列車はとっくに江西省に入っているのだ。昨夜、すなわち一一月二日午後八時五三分、浙贛線にのって杭州をたち、南昌にむかったのだが、夜の一〇時すぎ...
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窓のそとで人の話声がきこえる。列車がとまっているらしい。寝台からおりてカーテンをあけてみると、鷹潭(インタン)駅だ。鷹潭といえば鄱陽湖(ポーヤンフー)にそそぐ信江のほとりにあって、福建省の廈門につうじる鷹廈線の鉄道の起点としても知られている。すでに朝の六時半、列車はとっくに江西省に入っているのだ。昨夜、すなわち一一月二日午後八時五三分、浙贛線にのって杭州をたち、南昌にむかったのだが、夜の一〇時すぎ...