春秋時代に、秦の国に伯楽(パイロー)という有名な馬の鑑別家がいた。かれは長年の経験をもとにして、『相馬経』という本を書いた。伯楽のむすこは、父の才能をうらやんで、自分も馬の鑑別家になろうと考え、一日中『相馬経』と首っぴきで、一字一句を残らず暗記してしまった。だが、馬をいちども見たことがなかったので、かれは、馬がどんなかっこうをしているかも知らなかった。ある日、『相馬経』を手にして家を出たむすこは、...
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春秋時代に、秦の国に伯楽(パイロー)という有名な馬の鑑別家がいた。かれは長年の経験をもとにして、『相馬経』という本を書いた。伯楽のむすこは、父の才能をうらやんで、自分も馬の鑑別家になろうと考え、一日中『相馬経』と首っぴきで、一字一句を残らず暗記してしまった。だが、馬をいちども見たことがなかったので、かれは、馬がどんなかっこうをしているかも知らなかった。ある日、『相馬経』を手にして家を出たむすこは、...