大学の哲学科を卒業したある青年が、故郷の家へ帰ってきた。父親はよろこんで、息子といっしょに料理屋へでかけ、かれの卒業を祝った。父親は徳利をかたむけながら、息子にたずねた。「哲学科ではなにを勉強するのかね?」「哲学を勉強するのです」「それはどんな役にたつのかい?」息子は言った。「哲学ほど役に立つ学問はありませんよ。たとえば、このテーブルにあるニワトリにしても、ふつうの人が見たら、それは一羽にすぎませ...
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大学の哲学科を卒業したある青年が、故郷の家へ帰ってきた。父親はよろこんで、息子といっしょに料理屋へでかけ、かれの卒業を祝った。父親は徳利をかたむけながら、息子にたずねた。「哲学科ではなにを勉強するのかね?」「哲学を勉強するのです」「それはどんな役にたつのかい?」息子は言った。「哲学ほど役に立つ学問はありませんよ。たとえば、このテーブルにあるニワトリにしても、ふつうの人が見たら、それは一羽にすぎませ...