菫臨簋は青銅器のひとつで、ながらく清の宮廷が所蔵していた。乾隆四十五年(一七八〇年)、清の高宗のときに編さんされた『西清続鑑甲編』にも、その名がみえる。がんらい〈簋〉を〈彜(い)〉とも称してきたが、これは正しくない。簋は穀物を盛る容器で、古代には一般に〈土簋〉とよばれる陶製のものが多く、木や竹製のものもあった。字に竹かんむりがついているのも、これに由来するのであろう。青銅器のなかでも、簋はけっして...
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菫臨簋は青銅器のひとつで、ながらく清の宮廷が所蔵していた。乾隆四十五年(一七八〇年)、清の高宗のときに編さんされた『西清続鑑甲編』にも、その名がみえる。がんらい〈簋〉を〈彜(い)〉とも称してきたが、これは正しくない。簋は穀物を盛る容器で、古代には一般に〈土簋〉とよばれる陶製のものが多く、木や竹製のものもあった。字に竹かんむりがついているのも、これに由来するのであろう。青銅器のなかでも、簋はけっして...