蔡京(ツアイチン)が大臣になったころ、朝廷の財政はひじょうに窮迫していた。蔡京の歓心を買おうとしてある男が、「全国の役人の祿を半分に減らしたら、国庫はたちまちうるおうでしょう」と策を献じた。蔡京もいい考えだと思い、乘り気になった。あるとき、蔡京の屋敷で、芝居をやるため、役者がよばれた。書生に扮した役者は、着物から帽子、靴、足袋(たび)にいたるまで半端なものを身につけて、舞台にたった。そこへもう一人...
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蔡京(ツアイチン)が大臣になったころ、朝廷の財政はひじょうに窮迫していた。蔡京の歓心を買おうとしてある男が、「全国の役人の祿を半分に減らしたら、国庫はたちまちうるおうでしょう」と策を献じた。蔡京もいい考えだと思い、乘り気になった。あるとき、蔡京の屋敷で、芝居をやるため、役者がよばれた。書生に扮した役者は、着物から帽子、靴、足袋(たび)にいたるまで半端なものを身につけて、舞台にたった。そこへもう一人...