七月に入れば北京(ペイチン)も盛夏の候。頭上から大きな太陽が、アスファルトを溶かすほどに照りつける。―だが、ひとたび日陰に入ると、どこからともなく涼しい風がスーッと吹いてきて汗をかわかしてしまうから、さすがは北緯三九度五分に位する北の都である。このころ、北京の町角では、アンペラで日よけした果物屋さんが、あちこちに店を出す。広東(クウントン)の茘枝(れいし)や、近郊のアンズなど各地の果物が勢ぞろいす...
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七月に入れば北京(ペイチン)も盛夏の候。頭上から大きな太陽が、アスファルトを溶かすほどに照りつける。―だが、ひとたび日陰に入ると、どこからともなく涼しい風がスーッと吹いてきて汗をかわかしてしまうから、さすがは北緯三九度五分に位する北の都である。このころ、北京の町角では、アンペラで日よけした果物屋さんが、あちこちに店を出す。広東(クウントン)の茘枝(れいし)や、近郊のアンズなど各地の果物が勢ぞろいす...