一九六三年八月四日、昆明(クンミン)飛行場についたのは午前十時まえ。雨が降っている。飛行機から降りると、ひやりとするほど涼しい。思わず服の襟を立て、笑顔でうなずきあう。海抜一九〇〇メートルの昆明は年じゅう春のようで、真夏でも秋の涼しさだと聞いていたが、なるほど噂どおりだったからだ。雷雨のおかげで同行の客は朝鮮、ベトナム、日本、ケニア、ジンバブエの作家たち。みんなインドネシアでひらかれたアジア·アフ...
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一九六三年八月四日、昆明(クンミン)飛行場についたのは午前十時まえ。雨が降っている。飛行機から降りると、ひやりとするほど涼しい。思わず服の襟を立て、笑顔でうなずきあう。海抜一九〇〇メートルの昆明は年じゅう春のようで、真夏でも秋の涼しさだと聞いていたが、なるほど噂どおりだったからだ。雷雨のおかげで同行の客は朝鮮、ベトナム、日本、ケニア、ジンバブエの作家たち。みんなインドネシアでひらかれたアジア·アフ...